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トップアスリートに聞く 「サポーターとテーピングの使い分けとコンディショニング」
トップアスリートに聞く 「サポーターとテーピングの使い分けとコンディショニング」
今回は中距離、長距離ランナー、田母神一喜さんにトップアスリートの視点から身体のケアとサポーターの役割について語っていただきました。田母神さんは2021年に行われた日本陸上競技選手権大会800mで優勝。現役選手としてさらに挑戦を続けるとともに、地元福島での競技会・イベント運営を行う団体「スリーエフ ファン・フロム・フクシマ」の設立者兼代表として次世代育成にも努めています。
アスリート視点で考える身体のケア
アスリートが自分の身体についてよく考えるようになるのは何がきっかけになりますか
田母神さん:クラブや団体によりケガに関する教わり方によって差が出てくると思います。私が所属していた学法石川高校は部員数も多く、怪我をしたら試合には出られないのはもちろん、練習がこなせないと選手にも選ばれないので、一人ひとりが普段からリカバリーや食事、アイテムなどを意識していました。そうした競争環境の中だったからこそ、自然と意識は高くなりました。まさに、サバイバルみたいでした。
具体的にはどんなことを実施されていましたか
田母神さん:交代浴など家でできることも積極的に取り入れていました。もちろん他の選手も実行していて、部室の下に水のジャグジーを作り、終わった後にすぐにアイシングをしたりとか。みんなケアの意識は高かったと思います。先輩の様子を見て後輩が真似することでケアの方法を学ぶこともありました。
サポーターとテーピングの使い分け
ケガをしてしまった時のことをお聞きします。ご自身ができるケアとしてテーピングやサポーターを活用されているようですが
田母神さん:インターハイの県大会1500mでインレーンに足をのせてくじいてしまったことがあります。次の大会までの2週間は足首にサポーターを巻いて固定し日常生活を過ごし、練習の時になったらテーピングを巻いていました。足首は腫れてしまったので、日常はサポーター、本番はテーピングと使い分けていました。
テーピングとサポーターにはそれぞれいいところがありますが、どのように使い分けをしていますか?
田母神さん:私は膝が外に向く癖があるのでそれを内側に寄せるためにテーピングを巻いています。トレーナーさんに巻き方を教わり、自分に合った巻き方で細かく調整できる点がテーピングの魅力だと思います。例えば固めたいところで固められるなど、自分の足に合わせて調整がしたい時に便利です。また、足首やひざの可動域を考えながらテーピングをしたい時には、使うテーピングの種類を変えることもあります。
一方で、サポーターは手間がかからず、すぐに着脱できる点が魅力です。また指導している高校生などはテーピングの巻き方が分かっていないケースも多いので、サポーターの必要性を感じています。またテーピングの欠点として、長時間の運動時の後半にはゆるくなることがあるので、サポーターはその点で巻きなおしたり、調節がしやすいところが良いです。 朝夕の練習と指導の3回テーピングを巻きなおしていると手間もさることながら、コストもかかるので、テーピングと異なり繰り返し使うことができるサポーターは経済的だと思います。
ZAMSTの商品は使ったことがありますか?
田母神さん:高校時代はZAMSTのふくらはぎのサポーターを使っていました。中距離はスピードが必要なので筋肉のダメージが強くなります。大会の日は3日で7本ものレースを走ることもあり、疲労軽減やダメージを和らげる目的で、ふくらはぎのサポーターを使わせて頂いていました。
またカーフスリーブやアームスリーブは密着感がありサポート力を感じられる点で良いと思いました。なかなかこのタイプで充分な密着感が得られにくいので良かったです。 自分以外の他の選手も含め、特に強度の強い練習のときに装着することが多いアイテムです。 私個人としても、ケガ明けで練習量を戻している今の時期にはちょうどいいと感じます。