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テニスとインソール|トップアスリートインタビュー 日比野菜緒選手
テニスとインソール|トップアスリートインタビュー 日比野菜緒選手
テニスは代表的な生涯スポーツとして知られており、健康増進への期待が大きい種目の一つです。一方で「足ニス」と言われるほどフットワークが重要なため、足首捻挫などの怪我に悩まされることも少なくありません。足の負担軽減のためにトップアスリートはインソールをどのように活用しているのかを探るため、今回はオリンピックに日本代表として2大会出場し、女子の世界ランキングで日本人トップ(2023年11月取材時点)のテニスプレイヤーの日比野菜緒選手にお話を聞きました。
テニスと怪我
テニスで起きやすい怪我について教えてください
私自身の経験としては足回りの怪我が多かったですね。大きなところでは、左足首の三角骨障害(足関節後方インピンジメント症候群)があります。また数年前の試合中に足首捻挫を経験しています。
他の選手の状況を見ると、やはり手首の怪我はよく聞きます。突発的な怪我では足首捻挫が目立ちますね。また、長期間にわたる怪我では、選手生命に影響を及ぼす可能性のある腰の怪我が怖いですね。
怪我のリスクを小さくするために、ウォーミングアップやストレッチはどの程度実施していますか
若い時はストレッチにそこまで注意を払っていませんでしたが、年齢が上がるにつれて、身体のメンテナンスの重要性がよくわかるようになりました。例えば、練習前には約1時間、慎重に身体を動かすようにしています。練習が終わった後は、会場で軽くストレッチをし、部屋に戻ってからはさらにストレッチをし、身体をほぐし、マッサージガンを使ったセルフマッサージを行っています。疲れを感じた時は、アイスバスに入ることも好んでいます。
さらに、ツアーで世界を回る中で体調を崩すこともあるため、サプリメントを使ってビタミンを摂るなど、細かいケアにも気を配るようになりました。
トレーニングやサプリ等の情報はどこから入手していますか
今は主にトレーナーさんから情報をもらっていますが、セルフケアに関しては自分自身で考え、実施していくことも重要だと考えています。
特に若手の時期は、コーチやフィジカルトレーナー、ケア専門のトレーナーを全て揃えることは難しいです。海外でのトレーニングや試合では、国内とは異なり、常に相談できる相手がいるわけではなく、必要な情報や環境が整っているとは限りません。そのため、自分で考え、対応する能力が求められます。
テニスとインソール
使用しているインソールについて教えてください
カスタムバランスを、練習時にも試合時にも使用しています。足とインソール、シューズがぴったりと一体になっている感覚があり、とても安心感があります。私は他のインソールをほとんど試した経験がないので、直接的な比較は難しいですが、インソールを使ってみていただくと、ショットを打つ時の踏ん張りなどにその恩恵を感じるのではないでしょうか。 左右に振られても流れることなくしっかりと切り返せる感覚が得られるかもしれません。
インソールによる足への負担軽減は実感していますか
足の特定部位への負担軽減という側面では、私はインソールをずっと使用したままになっているので効果を明確にお伝えすることはできないのですが、ここ数年、大きな怪我がないという意味で、私はつけていたほうが安心してプレーに集中できます。
プレーするコートの種類によっても影響は異なりますか
クレーコートは滑りやすいため、捻挫のリスクが高まると思われます。芝のコートは、場所やその日のコンディションによって性質が異なるので予想しない怪我のリスクがあります。私の場合、自分に合ったインソール、合ったシューズの組み合わせを実現できたことにより、異なるサーフェスでも違和感なくプレーできています。
パフォーマンスへの影響を感じることはありますか
ずっと装着しているので、良い意味でインソールを入れた状態に慣れてしまっている分、明確にお伝えするのは難しいのですが、テニスでの経験に基づいて言うと、「切り返した時にバランスが崩れない足元をつくる」という点がメリットの一つかと感じています。
テニスにおすすめのインソール3選
日比野選手が使用しているカスタムバランスの他に、フットクラフトスタンダードやフットクラフトアジリティグリップがおすすめです。
カスタムバランス
カスタムバランスは一人ひとりの足の形を専用機器で分析し、足の強さを引き出す「ウィンドラスメカニズム」を用いて成形します。日比野選手をはじめ、多くのトップアスリートが採用しています。
フットクラフトスタンダード
レディメイドでありながら、オーダーメイドのカスタムバランスと遜色のないアーチ引き上げ効果を実現したのがフットクラフトです。3つのアーチタイプ(LOW・MIDDLE・HIGH)から選ぶことができ、ご自身に適したアーチタイプを選ぶことでオーダーメイドのようなフィット性を与え、理想的な足のバランスに導きます。
フットクラフトアジリティグリップ
フットクラフトスタンダードの機能はそのままに、優れたグリップ性能のトップコートにより、よりスムーズなターンや切り返しへと導きます。特にバスケットボールやテニス、バドミントンなど切り返しの激しいスポーツにおすすめです。
参考文献
- Spring KE, Holmes ME, Smith JW. Long-term Tennis Participation and Health Outcomes: An Investigation of "Lifetime" Activities. Int J Exerc Sci. 2020 Sep
- 『INSOLE GUIDEBOOK』ZAMST
Top athlete
関連商品を利用しているトップアスリート
日比野菜緒
テニス
- 所属
- 株式会社ブラス
- 生年月日
- 1994年11月28日
- 出身地
- 愛知県一宮市
- 主な経歴
- 2013年:プロ転向
- 2015年:タシケント・オープンでプロ転向後初となるWTAツアー優勝
- 2016年:リオデジャネイロオリンピック日本代表としてシングルス出場。ASBクラシック ベスト8
- 2019年:花キューピット ジャパンウイメンズオープンテニスチャンピオンシップス シングルス・ダブルス同時優勝
- 2021年:東京オリンピック日本代表としてシングルス・ダブルス出場
- 2023年:プラハ・オープンでシングルス・ダブルス同時優勝