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いまさら聞けないストレッチの基本|ストレッチのQ&A

今ではあたりまえのように使うストレッチという言葉。本来の意味とは何でしょうか?ストレッチが日本に紹介されたのは1980年代前半で、約45年の間にその重要性への注目度はますます高まっています。ここでは、ストレッチの歴史や基本的な理論を振り返ってみましょう。

ストレッチの歴史

アメリカでは1970年代後半から「ストレッチ」という言葉が使われるようになり、1975年にはボブ・アンダーソンによる書籍『Stretching』が出版されました。この本は1981年に『ボブ・アンダーソンのストレッチング』というタイトルで日本語訳され、日本にストレッチの考え方が広まりました。それをきっかけに、スポーツのウォーミングアップや健康体操として全国的に普及しました。

 

当初は「静的ストレッチ」が主流でしたが、次第に「動的ストレッチ」をはじめとするさまざまな方法が知られるようになりました。

 

2000年代以降、ヨガやピラティスの流行によってストレッチの効果がさらに注目されるようになりました。肩甲骨のストレッチによる肩こりの緩和や、腰痛の改善に役立つお尻やハムストリングのストレッチが広く知られています。さらに、パソコンの普及による眼精疲労や頭痛といった現代病にも、ストレッチの血流を改善して症状を和らげる効果が期待されています。

 

スポーツのウォーミングアップやクーリングダウンから始まったストレッチですが、いまでは健康促進全般において重要な方法として注目されています。

筋肉とストレッチ

ストレッチとは「筋肉を伸ばす」ことを意味します。筋肉(骨格筋)を柔軟な状態に保つことを目的としており、筋肉を引っ張って伸ばすことでさまざまなメリットが得られます。

ストレッチを行うと筋肉の柔軟性が高まり、関節の可動域が広がります。これにより、スポーツ時のケガの予防はもちろん、体の動きがスムーズになります。しかし、ストレッチの効果は長時間持続しないため、継続的な実施が必要です。

 

筋肉は動かしていないと縮む性質があるため、朝のストレッチでは寝ている間に硬くなった筋肉を伸ばし、一日のウォーミングアップとして活用します。一方、入浴後のストレッチは柔軟性の向上や疲労回復だけではなく、精神的なリラックス効果も期待できます。スポーツ前にはパフォーマンス向上とケガ予防を目的に、運動後は血流を促進して疲労軽減を目指して行いましょう。

ストレッチと血行促進

筋肉は、加齢や運動不足によって委縮しやすくなります。しかし、柔軟性を保つことで筋肉がポンプの役割を果たし、血流を促進します。例えば、ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、柔軟な筋肉が血流をスムーズにし、足先から心臓へ血液を戻します。

 

ストレッチによって全身の血行が促進されると、血液中の疲労物質が除去され、酸素や栄養素が全身に行き渡ります。この結果、体調が整い、ケガや痛みの解消、さらには組織の修復が早まることが期待できます。また、代謝が活発になり、生活習慣病の予防にもつながります。

ストレッチの魅力

ストレッチは誰でも気軽に行えるのが最大の魅力です。中高齢者にとっては健康体操としても効果的で、近年ではストレッチが体を温めることが知られるようになり、冷え性の改善や免疫力の向上にも役立つとされています。

 

このように、ストレッチは体を整え、健康を促進するための非常に優れたコンディショニング法です。ぜひ日常生活に取り入れてみてください。

初心者のためのストレッチQ&A

Q1. 静的ストレッチと動的ストレッチの違いは?

ストレッチには大きく分けて2つの方法があります。「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」と「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ/バリスティックストレッチ)」です。

 

静的ストレッチ:静止した状態で筋肉や腱をゆっくり伸ばす方法です。
動的ストレッチ:軽い反動を利用して、体を動かしながら筋肉や腱を伸ばす方法です。

 

この2つの方法の違いは、効果の面にも現れます。静的ストレッチは筋肉の伸縮性を高めるのに効果があり、動的ストレッチは関節の可動域を広げるのが主な目的です。

Q2. どれぐらいの強度で伸ばせばいい?

ストレッチは「痛気持ちいい」と感じるところまで伸ばすのが基本です。ただし、痛みを感じる手前で止めても問題ありません。無理せず、心地よい範囲で行うことが大切です。

 

毎日続けることで、筋肉の伸びる範囲や関節の動く範囲が広がり、柔軟な体を実感できるようになります。

Q3. 伸ばす時間と回数はどれぐらい?

静的ストレッチでは、筋肉の大きさに応じて次のような時間を目安にしてください。

 

大きな筋肉(太ももや背中など):30秒程度まで
小さな筋肉(首や手首など):10秒程度

 

長時間伸ばしすぎると、オーバーストレッチになり筋肉を痛める可能性があります。痛みを感じない範囲で、目安の秒数を守りながら行いましょう。 

Q4. ストレッチしているときの呼吸は?

ストレッチ中は呼吸を止めず、リラックスした状態を保つことが重要です。特に筋肉を伸ばす際には息を吐きながら行いましょう。

 

呼吸を続けることで副交感神経が優位になり、血流促進やリラクゼーション効果も得られます。伸ばしている筋肉を意識しながら、自然な呼吸を心がけてください。

Q5. ストレッチに適した時間帯は?

ストレッチはいつでも行えますが、避けたほうが良いタイミングがあります。食事後30分以内は回避しましょう。食後すぐにストレッチを行うと、内臓への血流が分散され、消化不良を引き起こす可能性があるためです。
 

最適なタイミングは入浴直後です。筋肉が温まり、柔らかくなっている状態なので、無理なく効果的に筋肉を伸ばせます。

Q6. お風呂やプールでストレッチするのは良い?

お風呂やプールは、ストレッチを行うのに適した環境です。お風呂では筋肉が温まり、リラックスした状態で無理なくストレッチを行えます。また、プールでは浮力が働くため、筋肉が緩みやすく、陸上よりもリラックスして伸ばせます。これらの環境を活用すると、さらに効果的なストレッチが可能です。

Q7. どれぐらい続ければ体が柔らかくなる?

柔軟性を高めるには、最低でも3か月~半年の継続が必要です。ただし、数週間続けるだけでも日常生活に変化を感じられるでしょう。たとえば、ゴルフをする方なら、肩や股関節の可動域が広がることで、パフォーマンスの向上や疲労の軽減などの効果を実感することが多いです。また、体が軽く感じられるようになり、動きやすさが向上するでしょう。

Q8. ストレッチ中の水分補給は必要?

水分補給はストレッチの効果を高めるために非常に重要です。特にお風呂上がりなど、脱水状態になりやすいときは必ず水分を摂るようにしてください。

 

筋肉は血液を多く含む組織です。ストレッチで血流が良くなっても、体が水分不足だと血液がドロドロになり、効果が半減します。水分を摂って、体内環境を整えましょう。

Q9. どれぐらいの頻度でストレッチをすべき?

ストレッチの柔軟性向上効果は数時間で徐々に低下します。そのため、可能であれば毎日行うのが理想です。

 

一般的には、一日1回、15分程度を目安に行うと効果的です。スポーツをする方は運動前後にストレッチを取り入れることで、ケガの予防や疲労軽減にもつながります。

参考文献

  • 『SPORTS MEDICINE LIBRARY』ZAMST
  • 『全75ポーズストレッチの基本 – 肩こり・腰痛・頭痛・冷え性・ダイエットなどを一気に』エイ出版社 遠山健太

記事監修・トレーナー

遠山 健太さん
ワシントン州立大学教育学部小等学科卒業。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科修了。株式会社ウィンゲート代表取締役。全日本モーグルチームのトレーナーとして、トップアスリートのトレーニング指導に携わってきた一方で、子どもの運動教室「ウィンゲートキッズ」のプログラムを開発するなど、子どもの体力向上についての研究も行っている。家族体力測定イベント「マイスポ」で第11回健康寿命をのばそう!アワード(生活習慣病予防分野)の企業部門において、スポーツ庁長官優秀賞を受賞。著書に、『るるぶKids こどもの運動能力がぐんぐん伸びる公園 東京版』(JTBパブリッシング)、『コツがつかめる! 体育ずかん』(ほるぷ出版)などがある。