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ハムストリングスのストレッチ|肉離れの予防や再発防止に

ハムストリングスは、肉離れを起こしやすい部位として知られています。その予防や再発防止にはストレッチが効果的です。さらに、ハムストリングスのストレッチは、腰痛の緩和や姿勢の改善にも役立ちます。この記事では、効果的なハムストリングスのストレッチ方法について詳しく説明します。

ハムストリングスとは

ハムストリングスの働き

ハムストリングスは太ももの後ろ側の筋肉です。ハムストリングスは大腿二頭筋(だいたいにとうきん)、半腱様筋(はんけんようきん)、半膜様筋(はんまくようきん)からなります。ハムストリングスは、特にランニングやダッシュをするアスリートにとって怪我をしやすい部分です。突然止まったり、スピードを落としたり、方向を変えたりすると、これらの筋肉に大きな負担がかかることで肉離れが起きやすくなります。

ハムストリングスと大腿四頭筋

膝の曲げ伸ばしは、ハムストリングスと大腿四頭筋の働きが重要です。膝を曲げる時はハムストリングスが縮み、大腿四頭筋がゆるみます。逆に膝を伸ばす時は大腿四頭筋が縮み、ハムストリングスがゆるみます。

肉離れとは

肉離れが起きる仕組み

肉離れとは、ダッシュなどの動作で筋肉の収縮時に急激な過伸張ストレスが加わり、そのため筋線維の損傷(部分断裂)が起こるスポーツ障害の一般的総称です。膝を曲げ伸ばす際には、ハムストリングスと大腿四頭筋が相互に収縮するため、陸上、バスケットボール、サッカー、ラグビーなどでダッシュした際にハムストリングスと大腿四頭筋の肉離れが起きやすくなります。

 

なお、テニスやバレーボールなどのジャンプ動作ではふくらはぎの肉離れが生じやすいと言われています。肉離れは重度になると、筋肉や腱の完全断裂を引き起こしている可能性もあるので注意が必要です。また、日常生活に支障が出るほどの痛みがある場合は、剥離骨折(はくりこっせつ)であることも考えられるので早めに病院に行き、医師の診察を受けましょう。

肉離れが起きやすい状況とは

肉離れは急に全力疾走する際などに多く発生します。また、ボールを蹴る動作などでは、大腿四頭筋(太もも前側)の肉離れを引き起こすこともあります。そうならないためにはやはり運動前後のストレッチなどのセルフケアが重要です。また、ハムストリングスの筋力が、大腿四頭筋の50%以下のアンバランスな状態になると、ハムストリングスの肉離れが起こりやすいと言われています。

肉離れの治療

  • 原則的に手術の必要はほとんどなく、主に保存治療を行います。受傷直後は基本的にRICE処置を行います。(RICE処置とアイシング|早期回復のための応急処置
  • 保存治療として松葉杖の使用などを行い、痛みが回復し、筋肉が伸ばされている感覚が持てるようになったらストレッチなどのリハビリテーションを行います。関節と筋肉の柔軟性を高め、段階的に筋力を戻していきましょう。
  • まれに重症の場合には、MRI検査や超音波検査を経て、手術が必要となる場合があります。

簡単なハムストリングスのストレッチ

立った状態からのハムストリングスのストレッチ①

  • 脚の付け根に手を添えます。
  • 胸を張ってお尻を引きます。痛みや緊張、震えを感じない範囲で行いましょう。
  • つま先の向きを変え、伸びる部分を変えます。
  • 15~30秒キープ。この運動を各脚で2〜4回行います。

立った状態からのハムストリングスのストレッチ②

  • 一人があおむけになり、片脚をあげます。
  • 膝を伸ばしたまま前屈します。
  • 胸を張り15~30秒キープします。これを数回繰り返します。

この姿勢が厳しい場合、指でつま先に触れる姿勢(下図)でもかまいません。坐骨を天井に向かって持ち上げるイメージでハムストリングスの筋肉が伸びます。

いずれの場合も、腰がかかとより後ろではなく、なるべく足の真上にあるように意識しましょう。

椅子を使った片脚ハムストリングスのストレッチ

  • 椅子に片脚をのせ、両手を太ももの付け根に置きます。
  • 胸を張ってお尻を引きます。
  • 30秒ほどその姿勢をキープします。背中はまっすぐに保ってください。
  • この運動を各脚で2~3回行います。

つま先の向きを変え、伸びる部位を変えてみましょう。さらに体の向きを変えると伸びる部位を変えられます。(下図)

座った状態でのハムストリングスのストレッチ

  • 座った状態で足の裏をつかみます。
  • 胸を太ももに押し付けます。
  • 15~30秒キープします。
  • この運動を各脚で2~3回行います。

足の位置とつま先の向きを変えて伸びる部位を変えてみましょう。

体が硬くて足の裏に手が届かない人は、手をすねに置きます。その状態から胸を太もも方向に寄せます。

座った状態での片脚ハムストリングスのストレッチ

  • 伸ばしたほうの足の裏を両手で掴みます。
  • 胸を太ももに押し付けます。
  • 15~30秒キープします。

このストレッチを各脚で3~4回行います。

横たわった状態での片脚ハムストリングスのストレッチ

  • 片脚を上げ両手でふくらはぎを持ちます。
  • 脚を高く伸ばし、15~30秒キープします。

このストレッチを各脚で3~4回行います。

つま先を外側に向けて、脚を外側に倒したり、つま先を内側に向けて、脚を内側に倒したりすることで伸びる部位を変えられます。

タオルやゴムバンドを使った横たわった状態でのハムストリングスのストレッチ

  • タオルまたはゴムバンドを片脚にかけ、後ろに倒れながら脚を上げます。
  • タオルまたはゴムバンドを手前に引っ張り、足を高く伸ばし、15~30秒キープします。

このストレッチを各脚で3~4回行います。

ペアで行うハムストリングスのストレッチ

  • 膝を伸ばしたまま、ペアの人がかかと、太ももの裏に手を当てて伸ばします。反対側の脚が上がってくるようであれば、ペアの人が膝で軽くおさえましょう。
  • 15~30秒キープします。

このストレッチを各脚で3~4回行います。

ストレッチをする時、腰や股関節、脚に痛みが出た場合には無理をせず、別のストレッチを試しましょう。またストレッチのしすぎにも注意しましょう。慢性的な腰痛などがある人は、横になった状態でのハムストリングスのストレッチから始めると良いでしょう。

参考文献

  • 『SPORTS MEDICINE LIBRARY』ZAMST
  • 『対策HANDBOOK 肉離れ すねの痛み』ZAMST

記事監修・整形外科医

毛利 晃大先生
毛利 晃大先生
順天堂大学医学部卒業、日本救急医学会専門医、日本整形外科学会会員 日本医師会認定スポーツ医、日本バスケットボール協会スポーツ医学委員会所属ドクター

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