スポーツによる慢性的な膝の痛み
プロのスポーツトレーナーに聞くサポーター入門の第2回。今回はスポーツ中にケガを起こしやすい部位のひとつ「ヒザ」のサポーターについてお聞きしました。
ヒザはケガをしやすく、痛みが慢性化しやすい部分の一つ
1回あたり30分以上の運動を3カ月に1回以上行っている方に、運動・スポーツ中のケガについて聞いたところ、「靱帯損傷(ねんざ等含む)」が20.0%で最も高く、部位としては「ヒザ 」(11.2%)と「足首」が高い結果となりました。また次に多かったケガ「打撲(うちみ)」では「ヒザ 」が21.9%で最も高い結果でした。さらに関節や筋肉の痛みを抱えている人のうち、 「ヒザ」と答えた人は30.5%。ヒザはスポーツなど激しい動きをする際に、負担がかかりやすいため、ケガをしやすく、慢性化もしやすい部分と言えます。
サポーターがおすすめなのはどんな時?
激しいスポーツはもちろん、軽いランニングやウォーキングでも膝に違和感を感じるシーンは多いと思いますが、トレーナーとしてどんな時にサポーターを推奨していますか?
激しいスポーツはもちろん、軽いランニングやウォーキングでも膝に違和感を感じるシーンは多いと思いますが、トレーナーとしてどんな時にサポーターを推奨していますか?
ヒザは骨と、ジン帯からつくられている関節です。ジン帯はヒザを安定させて、様々な動きを助ける大切な役割を受け持っています。
前十字ジン帯:下腿(ヒザから下)が前方へ引き出される(ズレる)動きを抑制しています。
後十字ジン帯:下腿(ヒザから下)が後方へ押し出される(ズレる)動きを抑制しています。
外側側副ジン帯:ヒザが外側に揺れる動きを抑制します。
内側側副ジン帯:ヒザが内側に揺れる動きを抑制します。
ケガの種類としては、スポーツ中に転んでしまったり、競技者同士でぶつかるなど、外から強い力が加わることで発生するケガがあります。ヒザの場合は、ジン帯損傷や半月板損傷、ヒザ周囲の筋肉の打撲などがありますね。
先に述べたいわゆるスポーツ外傷とは別に、走る、跳ぶといった動作の繰り返しによって、骨や腱、筋肉などが疲労して起こるケガ(スポーツ障害)もあります。ランナーが起こしやすいランナー膝(腸脛ジン帯炎)やバレーボールやバスケットボールなどのジャンプ競技で多いジャンパー膝(膝蓋ジン帯炎)が代表的です。意外なところでは自転車やバレエなどでも同様の症状がでることがあります。またスポーツをする成長期の男子が起こしやすいオスグッド・シュラッター病などがあげられます。
装着により、関節を安定させることで、衝撃や摩擦から保護し負担を軽減することがヒザサポーターの役割の一つと言えるでしょう。スポーツ用のヒザサポーターの場合はさらに競技別の特徴を活かして様々な種類があります。
マラソンやランニングにはどんなタイプがおすすめですか?
ランナーに多いランナー膝(腸脛ジン帯炎)の場合は腸脛ジン帯と大腿骨の外側がこすれることで、炎症を起こします。ヒザの外側に緊張・違和感を感じ、徐々に痛みが出てきます。休養するとおさまることが多いので大丈夫だと思って無理をしてしまう人もいます。サポーター以前にまずは、オーバーユース(練習量の増加)にならないこと、運動前後のストレッチをしっかりすることがやはりいちばん大事だと思います。
その上で少しでも不安を感じたらヒザ外側の負担を軽減できるサポーターやヒザ全体を安定化できるサポーターで、圧迫力の低い製品から試してみてはいかがでしょうか。
サポーターは常時装着し続けてもいいのでしょうか?
膝の問題は足首や股関節の柔軟性に関連していることが多いので、痛みがある時はまずはトレーナーに相談したり、医療機関での診断や治療を重視し、ヒザへの負担を軽減するためにサポーターを活用するのがおすすめです。
実際、ケガの予防で使用している人が多いことも前述のアンケートでわかりました。前述のアンケートで「運動・スポーツ中にサポーターを使用した理由」を聞いたところ、「ケガの再発防止」で使用している人が約31%、「新たなケガの予防のため」とした人が約27%でした。
またサポーターをすることで「安心するから」と答えた人も約26%にのぼりました。サポーターがあることで不安感を和らげていることが多いこともうかがえます。サポーターには、その人が本来持っているパフォーマンスへ好影響を与えているという側面もあるようです。
- トレーナー:遠山 健太さん
- ワシントン州立大学教育学部卒業。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科修了。株式会社ウィンゲート代表取締役。全日本モーグルチームのトレーナーとして、トップアスリートのトレーニング指導に携わってきた一方で、子どもの運動教室「ウィンゲートキッズ」のプログラムを開発するなど、子どもの体力向上についての研究も行っている。家族体力測定イベント「マイスポ」で第11回健康寿命をのばそう!アワード(生活習慣病予防分野)の企業部門において、スポーツ庁長官優秀賞を受賞。著書に、『るるぶKids こどもの運動能力がぐんぐん伸びる公園 東京版』(JTBパブリッシング)、『コツがつかめる! 体育ずかん』(ほるぷ出版)などがある。
この記事で紹介した商品
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- 前方・左右のブレを抑えるサポート力最強モデル
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関連商品を利用しているトップアスリート
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佐々木千紘(バレーボール)
契約選手
Profile
【所属】 ヴィクトリーナ姫路(VリーグDIVISION1 WOMEN)
【ポジション】 ミドルブロッカー
【生年月日】1997年11月17日
【出身地】秋田県大仙市
【出身校】東京女子体育大学
【主な経歴】
・2019年12月ヴィクトリーナ姫路入団
・2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN 10位使用しているサポーター
アームスリーブ
カーフスリーブ
JK-2
【佐々木千紘選手コメント】
この度、ザムストとスポンサーシップ契約を締結できたことを大変光栄に思います。
ザムストの製品は、練習や試合で毎回必ず身に着けているので、私にとっては無くてはならないアイテムです。
まだまだプロ選手としては未熟ですが、毎日サポートしてくれているザムストの良さを少しでも伝えていけるように、フィジカル面やメンタル面などの課題を強化し、コートの中でパフォーマンスを最大限発揮できるように頑張っていきたいと思います。
「Break」
各選手が自分自身の殻を破り、チームに変化をもたらすという意味を込めたチームスローガンです。
ヒザの痛みについてより深く学びたい方へ
各痛みに関するドクターによる症状解説、トレーナーによる対処法解説がアーカイブ化されています。
※サポーターの使用によりこれらの症状に効果があるわけではありません。
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- ランナー膝 別名:腸脛靱帯炎 / Runners knee/lliotibialband syndrome
- 腸脛靱帯炎の主因はオーバーユース。過剰なランニング時間と距離には十分注意しよう。
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- ジャンパー膝 別名:膝蓋腱炎(靱帯炎) / Jumper's knee/Patella tendinitis
- ジャンパー膝とは名前が示すごとく、バレーボールやバスケットボールなどでジャンプや着地動作を頻繁に行ったり、サッカーのキック動作やダッシュなどの走る動作を繰り返したりするスポーツに多くみられる、オーバーユースに起因する膝のスポーツ障害です。
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- 半月板損傷 / Meniscus tear
- 半月板損傷は、ジャンプの着地やストップ&ターンでバランスを崩したときに起こり、内側側副靱帯や前十字靱帯の損傷を伴うケースが多い。