バレーボールにおけるサポーターの活用について|日本体育大学バレーボール部
日本体育大学男子バレーボール部は1928年(昭和3年)創部以来、バレーボール指導者、オリンピックメダリストの育成にも取り組み、数多くの選手を輩出する強豪チームです。OBの数は男女合わせて約1万人にのぼり、全国各地で様々な活躍をしています。国際大会でも注目される高橋藍選手も所属しています。今回はそんな日本体育大学男子バレーボール部でトレーナーを務めている長谷川賢宏さんに、自分の身体との向き合い方とサポーターについてお話を聞きました。
ケガとの向き合い方
伝統校である日体大男子バレー部が練習で重視していることはなんですか?
日体大男子バレー部では「信頼・団結・闘志」を何十年も大切にしてきており、それを徹底することが基本になります。その上で、今年は、山本監督方や先生のアドバイスを受けながら、選手が主体的に課題の抽出や練習メニューを考えて進めることをしました。選手主体になることで責任をもって取り組む傾向が強まりました。
バレーをする上で、ケガとの向き合い方などで大切なことはありますか?
まずは、自分の身体に興味を持ち、違和感があれば自分でまず気づくことが第一歩ですね。
選手たちが自分のコンディションを把握することです。疲労感や筋肉のはり、柔軟性など、日々の練習による蓄積疲労で身体に変化がおき、痛みが出るリスクがあります。それを整えるために自発的にストレッチやクールダウンを本人たちに意識して実施してもらっています。自分の身体を知り、対処することを学べれば、その重要性を次の世代に伝えていくこともできるし、長くスポーツをやる上で必ず自分のためにもなるはずです。
また、基本的に痛みを訴えるケースがあれば、まずはいつから痛いのか、以前から違和感あったのか、今回はじめてなのか、など痛みの確認や練習ができるのかを判断をします。明らかにスポーツ外傷でスポーツができない場合はすぐプレーから外して、損傷の状態を確認し、その場で出来る応急処置を行い、必要に応じて医療機関の受診を行います。
テーピングとサポーター
テーピングとサポーターはどう使い分けていますか?
テーピングもサポーターも、何も巻かない時と比べて、ケガをしないための意識づけになり、精神的な安心感もあります。 サポーターは簡単に脱着でき、誰でも着けられるところが利点です。専門的な知識がなくても簡単に装着でき、必要なサポートを得ることが可能です。一方で、テーピングは1度巻くと消費するのでコストの問題もあります。細かい関節の動きの調整はテーピングの方が万能ですが、巻く技術が必要です。学生が巻くかトレーナーが巻くかで効果も違ってきます。 テーピングとサポーターのそれぞれの長所を理解して、活用することが重要です。
チームとして考えると、サポーターを採用することで、トレーナーがテーピングを巻く対応で手がふさがることがないので、他の選手のコンディションチェックや、ストレッチのサポートに入ったりできます。サポーターは、時間が有効に使える点でチームとしても合理的だと言えるでしょう。
ザムストのサポーターについての印象をお聞かせください。
ザムストのサポーターは医療をベースに開発されているのでトレーナーとしても安心して選択できる点と、ラインナップが豊富なので、ニーズに合わせやすい点が良いですね。ソフトからハードまでとサポートレベルの違いもあり、悩みや痛みの度合いに合わせて使い分けできます。 私は他の競技をサポートすることもあります。前十字靱帯(ACL)損傷で手術したビーチバレーボールの選手に、砂でプレーする時は手術したヒザに再発予防目的でハードタイプのサポーター、反対のヒザは強度を変えてミドルタイプを使っています。さらにトレーニング時は可動性が欲しいので両方をミドルにするなど細かく使い分けています。
中高生へのアドバイス
日体大男子バレー部は、伝統校としてバレーの普及にも熱心で、中高生の指導もされていると伺っています。大学生と中高生で身体の使い方も異なりますが、中高生へのアドバイスは何かありますか?
「0から動ける状態にする(ウォーミングアップ)➡それで練習をする➡練習で溜まったものを取り除く(クーリングダウン)」ここまでがセットで練習だと考えることが重要ですね。場所や時間がない等の理由で短縮せざるを得ない場合もありますが、日々の自分の身体の状態を把握することに対して選手の意識が高ければ、家でのケアや睡眠などの過ごし方、疲労を取ることを実践してくれるはずです。日体大男子バレー部が実施している中・高生のバレー教室の時も、選手がウォーミングアップから一緒にやりますが、そういう経験を通じ、自分の身体に興味を持ち、主体的にケアを考える意識の普及につながってほしいですね。
中高生の若い世代がサポーターを使うことはどう思いますか?
痛みがなくてもサポーターを使用することで、練習による身体へのストレスが軽減される効果はあると思います。例えば1回で10溜まるストレスも、サポーターで5,6となれば負担に差が出てくることもあるでしょう。対処療法ではなく、痛くならない、疲れをためないためにソフトタイプでも良いので使って欲しいですね。用途とニーズに合わせて工夫すれば、使い方も無限に出てくるのではないのではないでしょうか。
この記事で紹介した商品
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- ザムスト FA-1
(足首用サポーター 左右兼用) - 足首の軽い圧迫・保護に
- 足首を手軽にホールドする保護用サポーター。シューズの中でかさばらないよう、薄さにこだわって設計しました。
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- ザムスト FA-1
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- ザムスト A1ショート
(足首用サポーター 左右別) - 内反の動きを抑制
- 丈が短く、より動きやすさを求めたタイプ
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- ザムスト A1ショート
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- ザムスト A1
(足首用サポーター 左右別) - 内反の動きを抑制
- 長くてサポート力の強いタイプ
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- ザムスト ZK-MOTION
(ヒザ用サポーター 左右兼用) - サポート力と動きやすさを両立した万能ニットモデル
- 耐久性とフィット性を兼ね備えたNDXニット、左右のグラつきを抑制するファンクショナルステー、動きに追従し、安定感を高める3Dリングパット。3つのパーツが相互に機能することでサポート力と動きやすさの両立を実現しました。
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- ザムスト ZK-MOTION
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- ザムスト JK-1
(ヒザ用サポーター 左右兼用) - 成長期のヒザのトラブルに
- 成長期の小学校高学年から高校生向け。ヒザ全体をホールドし、負荷を軽減します。
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- ザムスト JK-2
(ヒザ用サポーター 左右兼用) - ジャンプ系競技のトラブルに
- ジャンプ系統スポーツのヒザのトラブルに対応。独自のパッドで、ジャンプ時のヒザへの負荷を軽減します。
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- ザムスト JK-2
足の痛みについてより深く学びたい方へ
各痛みに関するドクターによる症状解説、トレーナーによる対処法解説がアーカイブ化されています。
※サポーターの使用によりこれらの症状に効果があるわけではありません。
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- 足関節捻挫 / Ankle sprain
- 足関節捻挫(靱帯損傷)はスポーツによる急性外傷としては最も頻度が高く、かつ重症度の高い障害ですが、軽視され慢性化する場合が多いので注意を要します。
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- ジャンパー膝 別名:膝蓋腱炎(靱帯炎) / Jumper's knee/Patella tendinitis
- ジャンパー膝とは名前が示すごとく、バレーボールやバスケットボールなどでジャンプや着地動作を頻繁に行ったり、サッカーのキック動作やダッシュなどの走る動作を繰り返したりするスポーツに多くみられる、オーバーユースに起因する膝のスポーツ障害です。
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- 半月板損傷 / Meniscus tear
- 半月板損傷は、ジャンプの着地やストップ&ターンでバランスを崩したときに起こり、内側側副靱帯や前十字靱帯の損傷を伴うケースが多い。
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- オスグッド病 (オスグッド・シュラッター病) / Osgood-Schlatter disease
- オスグッド病では、ジャンプ動作での膝屈伸時や、ダッシュやキック動作によって脛骨結節部が強く引っ張られ、同部がはがれたり炎症を起こしたりして痛みが発生する。