2025.04.09
血流を巡らせる足裏と足指のストレッチ①

足指、足の裏が硬くなると、歩き方や姿勢が悪くなり、その影響はこりや痛み、さまざまな不調となって全身に及びます。そこで全身の血流を促す足裏のストレッチを2回にわたってご紹介します。インソールの使用とあわせて実施することをおすすめします。
筋肉のポンプ活動が血液を送り出す
筋肉には、収縮と弛緩を繰り返すことで力を入れたり緩めたりする特性があります。この動きにより、筋肉は血管を縮めたり広げたりしながらポンプのように働き、血液の流れを助けています。つまり、心臓の鼓動が血液を全身に送り出しているのと同じように、筋肉も血液循環に重要な役割を果たしているのです。中でも「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎは、この働きが特に大きいことで知られています。
(参考:スポーツによる脚のむくみと筋肉疲労)
しかし、運動不足や疲労によって筋肉が硬くなり、伸びにくくなると、筋肉内の毛細血管が圧迫されて血流が悪化します。ヒザから下に血液が滞りやすくなり、スポーツにおいては、いわゆる「脚のスタミナ切れ」のような状態を引き起こしやすくなります。
ミルキング・アクションを活発に働かせるために
動脈には酸素や栄養を含んだ新鮮な血液が、静脈には疲労物質を含んだ血液が流れています。静脈には逆流を防ぐ弁があり、たとえばふくらはぎでは、歩くたびに筋肉が伸び縮みして静脈を圧迫し、弁を動かしながら心臓へ血液を押し戻します。この働きは、牛の乳搾りに似ていることから「ミルキング・アクション」と呼ばれています。しかし、ふくらはぎの状態が悪いとこの作用がうまく機能せず、血液がヒザ下に滞って「むくみ」が生じる原因となります。
(参考:選手によるインプレッション|インソールの使用で足のむくみがなくなった)

筋肉の弛緩時:筋肉の弛緩(しかん)時には弁は閉じ、血液の逆流を防ぎます。
足の指からふくらはぎまで、足の筋肉の弾性を復活させる
ミルキング・アクションはふくらはぎが大きな役割を果たしますが、実はこの働きは全身の筋肉でも起こっています。そのため、ミルキング・アクションを促すには、ふくらはぎのストレッチだけでなく、足首や足指の関節をしっかり動かしたり、足裏をマッサージしたりすることも重要です。こうしたケアによって足まわりの筋肉に弾力が戻り、血流が改善されることで、全身の血液循環がスムーズになると期待されます。
足指を前後に伸ばすストレッチ
靴による圧迫や硬い靴底の影響で、スポーツをしている人でも足指で地面をつかむ動きがしにくくなっていることがあります。足指を前後にしっかり伸ばすことで、本来の機能を取り戻し、正しい姿勢の土台を整えましょう。
手で足の指をつかみ前後にストレッチ
足の親指と人差し指、残りの3指をそれぞれ持ち、前後にストレッチします。指の股を広げるのが目的ではなく、指や付け根を伸ばすイメージです。

足の疲れを予防する足指開き&足首回し
足の指の間に手の指を入れてしっかりつかみ、足首をゆっくり回します。これは足指を横方向にストレッチすることと、足首の柔軟性を高めることが目的です。足首が柔らかくなると、ヒザや股関節への負担も軽減されやすくなります。
手の指を足の指の間に入れて足首を回す
あぐらをかくようにして、ストレッチをする足を逆のヒザの上に乗せる。ゆっくり内回し、外回しを行います。

ふくらはぎの疲労回復に効くアキレス腱ストレッチ
ふくらはぎからアキレス腱にかけての疲労をため込まないように行うストレッチです。かかとを自重でじんわりと押し下げるように意識すると、より効果的に筋肉を伸ばすことができます。
腕立て伏せ姿勢から片足を逆の足に乗せる
腕立て伏せの姿勢をとり、片足の足首あたりの上に逆の足を乗せます。下の足の足首をゆっくり曲げ、アキレス腱とふくらはぎが伸びるのを感じたところで止めます。

ヒラメ筋を重点的に伸ばすアキレス腱のストレッチ
正座の姿勢から片ヒザを立て、両手をヒザに添えて体重をかけることで、アキレス腱をじっくり伸ばします。このストレッチは、ふくらはぎの奥にあるヒラメ筋に集中的にアプローチするのが特徴です。
1. 立てヒザをついて手をヒザの上に乗せる
立てヒザをついたほうの足の裏はしっかり地面につけます。ヒザの上に両手を置いてスタート姿勢とします。
2. ヒザの上に体重をゆっくりと乗せる
ヒザの上に体重をゆっくりとかけ、アキレス腱とふくらはぎがストレッチされたらキープしましょう。体重をかける時は上体をヒザの上に被せるようにし、足の裏は浮かさないようにしましょう。

足裏と足の甲のストレッチ
足には多くの小さな骨があり、それぞれが関節や筋肉、靭帯でつながっています。どこか一部の筋肉が疲れて硬くなると、足全体のバランスが崩れてしまいます。そのため、足裏だけでなく足の甲までしっかりストレッチして、足部全体のバランスを整えましょう。
1. 太ももの上にくるぶしを乗せてスタンバイ
長座から片方のヒザを曲げて、伸ばした脚のヒザの上あたりの太ももの上に乗せます。
2. 足の指を手前に引き、足の甲をストレッチ
足の指を手前に引くようにして、足の甲がストレッチされているのを感じたらキープします。
3. 足の指を反らせて足裏のストレッチ
足の指をつかんで、指を反らせます。足の裏がストレッチされているのを感じたらキープします。足指を動かす時は反対の手で足首を押さえるとよいでしょう。足裏と足の甲、それぞれを交互に行います。

足の甲から足首の前にかけて伸ばす足の甲のストレッチ
実は、正座の姿勢は足の甲や足首の前側を自然に伸ばすストレッチにもなっています。無理のない範囲で行うことで、足の柔軟性の向上につながります。
1. 正面:足首を伸ばして正座
足首を真っすぐ伸ばして正座します。手は軽く握って太ももの上に乗せます。
2. 後ろ:足の甲のストレッチを確認
足の甲がストレッチされるのを感じたらそのままの状態をキープします。ストレッチ目的の正座では、足は重ねません。

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記事監修・トレーナー

- 遠山 健太さん
- ワシントン州立大学教育学部小等学科卒業。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科修了。株式会社ウィンゲート代表取締役。全日本モーグルチームのトレーナーとして、トップアスリートのトレーニング指導に携わってきた一方で、子どもの運動教室「ウィンゲートキッズ」のプログラムを開発するなど、子どもの体力向上についての研究も行っている。家族体力測定イベント「マイスポ」で第11回健康寿命をのばそう!アワード(生活習慣病予防分野)の企業部門において、スポーツ庁長官優秀賞を受賞。著書に、『るるぶKids こどもの運動能力がぐんぐん伸びる公園 東京版』(JTBパブリッシング)、『コツがつかめる! 体育ずかん』(ほるぷ出版)などがある。